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35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 03:33:19.44 ID:DjWFI3eg0
○月×日
第一校舎・・・
今日も私は人知れずここに来た、目的は一つ。この校舎にいるはずのない人間に会うためだ。
校舎の中はいつも閑散としている。
それもそのはずだろう、この校舎には部活で使う教室がない。
ゆえに放課後になると誰も居なくなる。
私と、そしているはずのない人間を除いては・・・・
私がこの校舎に来る理由、それはいるはずのない人間に会うため。
私にとって彼は「代弁者」私の心の闇をはらすための人なのだ。
今日も私は嫌がらせを受けた。鞄の中にカエルを入れられたのだ
昨日はミミズを筆箱に入れられた、一昨日も・・・
もう我慢ならない!
やった人間は分かっている。
だから制裁を加える。
私の苦しみに比べれば軽いものかもしれないが、そうしないと気が晴れない。



 



43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 03:49:27.87 ID:DjWFI3eg0
今日はいつもと違うルートを選んで目的地に向かう事になった。
須川さんたちと鉢合わせしそうになったからだ。
あの一件以来、彼女達の嫌がらせはほとんどなくなった。
だけど、未だに彼女を見ると縮こまってしまう自分がいる。きっとトラウマというやつなのだろう
その時何か物音がした。
まさか、須川さん達が・・・
ここは人目がない。私に何かするならこれ以上好都合な場所はない。
私は物音のした方向を凝視した。
逃げたいが、向こうまで距離がある。きっと追いつかれてしまうだろう。
ならばいっそ、こらえてしまえばこの場は何とかなるし、その怨みは後で晴らしてもらえば溜飲は下がる。
そう思って身構えた、その時
「あ・・・・・・」

52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 04:08:23.68 ID:DjWFI3eg0

そこにいたのは須川さんではなかった。・・・・と言うより人間じゃなかった
小さな子犬。
泥で汚れてみすぼらしいが柴系の雑種だろうか?段ボール箱に入れられ丸まっている。
近づくと寒いのだろうか?小さく震えているのが分かった。
「あ・・・・血が・・・・」
子犬の前足には血が付いている。怪我をしているようだ。
だが、段ボールから出られない子犬が怪我をしているのはおかしい。
周りに残った小さな足跡からするとどうやら子供のおもちゃにされたらしい。
「おまえも・・・・なの?」
無抵抗な子犬が子供にいいようにされる姿が頭に浮かんでくる。
この子犬も力ある者に押さえつけられ、抵抗も出来ず虐められている。
そう考えたとたん、私の中に妙な感覚が目覚めた。
親近感、とでも言うのだろうか?
哀れみに似た感情が私にわき上がってくるのを感じていた。

遅筆でスマン


57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 04:26:48.03 ID:DjWFI3eg0
私はごく自然と子犬に手を伸ばし抱き上げた。
子犬の目は怯えに満ちている。
きっとこの子の出会った人間は全て、この子を蔑み命を命とも思わない奴らばかりなのだろう。

この子は学校での私そのものだ・・・・

学校で私には居場所がない。
この子にもどこにも居場所がない・・・・・。
私はその子を抱きかかえるとすっと立ち上がった。
ハンカチで体をくるみ人目を伺いながらその場を後にする。
ここに置いておけばまたいじめられる。私と同じように・・・

私は子犬をを抱いたまま学校を出た。
別に飼いたいわけじゃない。
そう、ただ放っておけない。それだけだ・・・
私の頭の中には黒沢君に会うことは今はなかった。
彼ならきっと明日もあのトイレにいる。復讐を1日のばしても別にかまわない。
その分きつい仕返しをしてやればいいのだ。

そう考えながらも、今私の腕の中で生きているこの命に何となく心をいやされ
憎悪の感情が萎んでいく事に私は気づいたのだった。

                                      終わり


53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 04:10:12.43 ID:ychmad690
○月×日
今日も彼は家にやってきた
彼は救世主にでもなった気でいるのだろうか
彼は何度もうちに来ては、私と会話をしようと試みているようだ
彼は何を考えているのだろうか
そんなことしてもムダなのに・・・

私は日記を更新し某巨大掲示板のページをめくった

54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 04:17:08.20 ID:ychmad690
掲示板の中には様々なスレッドが乱立し、その中で世界が形作られていた
私は特に興味があるわけでもなく、それが作業であるかのようにただ黙々とスレッドを読んでいた
ただそれだけの日々
現実世界もネット世界も一緒
同じ人間が形作る私の忌みする世界
こんな世界なんか終わってしまえばいいのに・・・
自殺未遂も何度もした
しかし、モラトリアムが欲しいが為の自傷行為など生命の前には無力であった
私を苦しめてきた沢山の人間や私を裏切って自分だけ汚い世界へ舞い戻った彼の行為
沢山の傷が私の頭の中には残っている
どれもこれもいつまでたっても消えやしない、ズキズキと痛む

・・・今日はもう寝ようかな
外を見ると今日もまた空はうっすらと明るんでいるのだった


56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 04:26:40.77 ID:ychmad690
○月△日
今日は彼はまだ来ない
私は彼が来ない日を嬉しく思う
そして、怖くも思う

私は今日も意味もなく日記を更新した
鬱陶しい彼の行為は私には何の影響も及ぼさない
外界とはいつからか遮断しているのだ
ここは私の世界・・・この世界に居れば私は絶対に安全なのだ
態々傷を増やす為に外の世界に出向くなどバカげてる

しかし、彼が来ない日は私は不安にもなる
こんなところに居ていいのだろうか?何もせずに死んだ日々を送ることになんの意味がある?
いや、意味など無い
彼は私を救ってくれるのではないだろうか?
彼に任せてみようか?そうすれば、こうして不安の日々を送ることなんてなくなるんじゃないんだろうか?

それもまたバカげた話だと思いなおし、また今日と同じ明日を迎えよう・・・

69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 04:54:50.84 ID:ychmad690
○月○日
彼は今日も来ました
同窓会があるそうです
行くわけないないのに、誘いに来てくれました

ここまでキーを打った後、なんだかあほらしくなって私はベッドに横になった
彼は私を同窓会に連れて行きたいらしい

「北原、来いよ。同窓会、始まってるぞ」

同窓会なんてどうでもよかった
私は行く気など無い
あの頃、私を傷つけて楽しんでいた人たちのもとへ、みすみすやられに行くほどバカではない

「北原、行こうぜ。きっと楽しいよ」
「行かない。行くわけない」
私は拒否の姿勢を示した
「半年ぶりに、懐かしい顔ぶれが揃ってる。同窓会なんて、次はいつになるかわからないんだ。
ひょっとしたら、あのメンバーが一同に会するなんて、もうないかも。せっかくだから来いって。
長岡だって来てる。今なら言えるだろ、好きでしたでも何でも、笑って話せばいい」
「イヤよ。行きたくない。誰の顔も見たくない」

長岡くんも今はもうどうでもいい
私にとって一番大切なのは彼が・・・黒沢くんが会いに来てくれるという事実だけだった
外の世界なんて知らないが、彼は外の世界に私を導いてくれている
理由はどうあれこんな私に会いに来て話をしてくれるのだ
これはとても素敵なことだ
でも、こんなカタチになってしまった今となってはもうどうしようもないのだ・・・


72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 04:57:32.79 ID:ychmad690
「だいたい、誰も私に会いたいなんて思ってないでしょ?私のことなんか、もうみんな忘れてるよ……
最後の最後に手首を切って、学校に来なくなった女のことなんて」
「そんなことないさ。僕は覚えてる。だからこうしてここに来てるんだ。……それに、滝川もね」

滝川さん?一体なぜ?彼女には私を苛める気なんてないだろう事くらいは、わかっている
意味が解らない

「……滝川さん?」
「お前は知らないだろうけどな、滝川の夢は、またみんなで修学旅行の時みたく、旅行に行くことなんだよ。
みんなってわかるか?D班だ。長岡がいて、ピザ太がいて、それに僕と……お前だよ」
「…………」
「だからさ、来いよ。いっしょに旅行の計画立てよう。いつになるか、わかんないけど。行こうみんなで」

そんな・・・滝川さん・・・みんなバカだ。
こんな私に・・・あんなに醜かった私になんでそんな言葉をかけるの?

73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 05:01:13.97 ID:ychmad690
「なぁ、北原。覚えているか?僕が修学旅行の帰りの新幹線の中で、お前に言ったこと。
あの時、君があんまり復讐の話ばかりするんで、僕はこう言ったんだ。
僕には君が弱いようには見えなくなってきてる、って。
君ほど強い女の子なら、もっと違う何かができるんじゃないか、って。
でも本当は、君は僕が思っているほど、強くなんてなかったのかもな。
いつもクラスの中で独りきりで、いろんな重圧に耐えてて、耐え切れなくなって、今はこうだ。
もっと違う何かができるなんて言っても、やったのはせいぜいリストカットで自滅だったしね。
だけどさ、何もできない君じゃない。強くはないかもしれないけど、君にだってできることがあるんだ。今やっとわかったよ」
「・・・。」

「この部屋のドアを開けるくらないなら、君には簡単なことさ。
君は非力で、独りではあまりにも小さすぎるけれど、このドアを開ければ僕だっているし、何かあれば手を貸してやるさ。
体操服を窓の外に捨てられた時は、木登りくらいは、手伝ってやれるし。
二人なら、何もできないなんてことはないだろう?」

私は・・・何を間違っていたのだろう。
何かを、どこかで、考えてもわからないけれど、きっと重大なミスをしていたんだろう。
醜いばかりじゃなかった。ただ醜い物しか見えていなかっただけなのだ。
彼は弱い自分よりさらに弱い私に哀れみの言葉をかけてくれているわけではなかった。
彼はとても強くなって、そして弱い私に強くなれる道の入り口を教えてくれているのだ。

「それじゃ、僕はそろそろ行くよ」

・・・行こう。彼のもとへ。みんなのもとへ。

「待って」
「替えるから、待って」


77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 05:10:29.63 ID:ychmad690
×月○日
今日は私にとって重大な日になると思います

そろそろ時間だ。
服を着替えて荷物を持って、PCの電源を落とす。

あの同窓会の日から私の中で何かが変わっていた。
彼の黒沢くんのせいだ。
彼に促されるままに私は同窓会の会場へと入っていた。
暫くぶりの人の温もりや楽しさも満喫できた。

なによりも重要だったのは、彼に気になる人がいるってことだった。
どこかで道を踏み外していた私を助けてくれたのは、黒沢くんだった。
私は彼にいつしか思いを寄せていたんだと思う。

あの日、私を抱きしめてくれた温もりも、きっといつまでも忘れないのだろうと思う。
残念ながら彼には思いを伝えるよりも先にフラれてしまったけれど、それでいいのだと思う。
長い間、沢山の人に迷惑をかけた罰なのだ。

78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2008/02/26(火) 05:17:41.28 ID:ychmad690
今日から私は学校へ行く。
罪滅ぼしではなく、自分の意思で楽しそうだから行くのだ。
不安も沢山あるけれど、あの最悪の日々よりはいくらかマシであろう。

駅までの道も、改札に見る人々の顔も、今までとは違って見えた。
全て彼のおかげだ。
本当にどうお礼をしていいのか分からない。
いつか、私にも気になる人が出来たら、その時はちゃんと真正面から気持ちを伝えよう。
歪んだ方法を使うとろくなことにならないのはもう理解したし、あんなに悲しい思いをするのはごめんだ。
日々を大切に生きていくことこそが生きていく意味であり理由なのだ。

いつか彼と同じ場所に立って、必ず彼にお礼を言おう。
そのためには、まず今日遅刻せずに学校に行かなくては・・・。

目の前を走り去る電車を横目に、私は今日という日の暖かさを覚えた。


-おわり-


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  • ななしカナ? 投稿日:2008/03/08(土) 22:16:53
  • 本編の番外編も北原を書いてほしかったな。
    黒沢と須川じゃなくて。
  • ななしカナ? 投稿日:2008/03/08(土) 22:18:03
  • 2とか言う奴ウザイよねww



    2
  • ななしカナ? 投稿日:2008/03/08(土) 23:13:13
  • 3!!!!
  • VIPPERな名無しさん 投稿日:2008/03/09(日) 20:40:11
  • 4とか言う奴死んでいいと思う




  • ななしカナ? 投稿日:2008/03/10(月) 01:02:10
  • 5とかいう奴逝ったほうがいいと思う










    5
  • ななしカナ? 投稿日:2008/04/08(火) 02:39:11
  • この流れを断ち切る!!






    6
  • ななしカナ? 投稿日:2009/03/08(日) 14:07:53
  • おまえらきめぇwww






  • ななしカナ? 投稿日:2009/03/08(日) 18:24:12
  • ゲッターとか死ねばいいのに





  • ななしカナ? 投稿日:2009/03/08(日) 19:10:40
  • 北原イラネ
    いいからさっさと須川!!
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