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1 旦那と初詣 :2006/12/13(水) 22:55:06.38 ID:MKjB49U50
ババコンガ「キノコうめーーーーーwwwwwwwww」

3 丸焼もち :2006/12/13(水) 22:55:49.61 ID:uPYC8lGY0
キノコンガ「ババコうめーーーーーwwwwwwwww」

4 初夢(アフリカのシマウマだった) :2006/12/13(水) 22:56:48.89 ID:sxNKQ/7w0
>>3
サイコーメトラーEIJI



 



8 猪(赤ら顔) :2006/12/14(木) 00:28:04.62 ID:zD3Z/3WxO
例えばこの世界に悪も正義も無く、只交差によって出来た馴染み合えぬ色彩達が対立しているように見えているとする

すると今まで白では無い白だった少年が白から灰、黒、そして様々な色へと変わっていったのだ

つまり、正義や悪は・・・
もう書かずしても理解されよう。

いや、すまない。少し偉そうな振りをしたかった。

じゃあ今からその少年とある魔物の話をする

それは下らない話かもしれないが
まぁ聞いてほしい

10 猪(赤ら顔) :2006/12/14(木) 00:34:33.69 ID:zD3Z/3WxO
父は、常に悪を魔王としてきた。
魔王は残虐非道の悪行の限りを尽くす、地上最悪の存在なのだ。と常に僕に言ってきた。

「じゃあ魔王以上に悪いことをする人はいないの?」

少年、それよりも幼い僕は父に聞いた。
父は、勿論そうだ、と言ったが。昨日の母方の祖母の誕生日を忘れていた辺り、あまり信用出来るものじゃなかった。

ついでに、母にも聞いた。
「悪行って、何なの?」

まずそこからだった

11 猪(赤ら顔) :2006/12/14(木) 00:45:49.84 ID:zD3Z/3WxO
そんなこんなで平穏な時を数年生きた僕は、普通の教養と、普通の思考を持つことになる。

ガレッサの街は、あまり裕福でないが貧困という程でもない、やはり普通の街だった。
その街には学校と言えるものは少なく、先程の通り父と母から学ばなければ言語は喋れなかった。
つまり、父と母に間違いがあってもその時には理解出来ないのだ。
まぁ、大概は友人と語り合うことで発覚するのだが。

魔王は悪、ということ。
魔王は地上最悪だ、ということは揺るぎないものだった。

だが、疑問だったのだ。

悪とは、何なのか。

しかし、そんな疑問も「悪」によってしっかり疑うことが出来なくなった。

人間という、悪によって。

12 猪(赤ら顔) :2006/12/14(木) 00:59:01.34 ID:zD3Z/3WxO
戦争の開始により、ガレッサの街は兵士達の休息所となった。いや、それ以下だったのかもしれない。
僕が九つの頃にやってきた傭兵達は「この家はアルガ不動産の所有物」云々、「アルガ不動産は第70番隊を支援するとして」何々、
あっという間に僕達は家から追い出されていて、いつの間にかアガッサ市民会館に寝泊まりせねばならなくなっていた。
しかし、父は「私が子供の頃も、こんなことが日常茶飯事だった」だの、「魔王さえいなければ」だの宣っていた。
僕はいらいらを抑え、食事も出来るし寝泊まりは出来る、敗戦すればまた家は戻るだろう。と思いながらその生活を過ごしていた。
だが、人間というものは、無駄な権力を手に入れると
下らないプライドが生まれ
同等の権力を持たぬものを見下し始める。

そして、アガッサ崩壊は起こったのだ。

14 猪(発情中) :2006/12/14(木) 01:09:14.41 ID:zD3Z/3WxO
ガレッサ崩壊の発端はやはり下らない事だ。人間事と言ってもいいくらい、下らない事。

ある傭兵が、ガレッサの娘に恋をした。
しかしガレッサの娘には許嫁が居たので殺した。娘を、許嫁の前で。

本当に、本当に下らない事で信頼は崩れ、揺るぎなきものは振動を始めたのだ。

もし

街の人達は直ちに王国へ通達をした。
王国もその書類、民の声、現状に目を通した。
しかし、何もしなかった。
出来なかった、という言い訳を出して、彼等は何もしなかった。

もしかしたら、

王国の対処に憤りを覚えたアルヌガ・シライは義勇団を設立、王国のよこした傭兵達を次々に迫害していった。

もしかしたら、悪とは


15 猪(発情中) :2006/12/14(木) 01:32:48.64 ID:zD3Z/3WxO
義勇団の活躍により一旦の平穏を取り戻した街は、王国へ疑念と不安を抱いていた。
市長アクタリスはすぐさま王国に意見書を提出するも、予想外の返答を頂く事となる。

拝啓 アガッサ市長殿
貴街において、アルヌガ義勇団という軍団が我々が配備した魔王討伐70番隊を撃退する事件が発生し
又、その義勇団の行為を街ぐるみで援助したこと、
その行いに対する謝罪、もしくは弁明の無きことにより

もしかしたら、悪とは人間そのものなのかもしれない

貴街を逆賊市街とし、
魔王討伐60番、62番、65番隊による粛正を開始する。
尚、此の手紙が到達した時には出動開始したものとみて頂ければよろしき候 敬具

16 猪(発情中) :2006/12/14(木) 01:44:46.36 ID:zD3Z/3WxO

僕の父はまず首を括った
母はいつの間にか消えていたし
母方、父方の祖父母も同様に失踪し、又は自害した。
父の自殺した夜に震えて湖畔に来てみれば、几帳面の母の靴が散らかったように置いてあった。

それほどの恐怖があったのだろうか。
いや
絶望だった。

小さく普遍な街にあった、揺るぎなきもの、「魔王は悪である」の真の意味
「王国は正義であり、我々を守ってくれている。」
という誤解は、この夜に全て消え
絶望という暗闇を置いて去っていったのだった。

だが、僕は生きていた。

17 猪(発情中) :2006/12/14(木) 01:57:31.05 ID:zD3Z/3WxO
普通の街で、普通の考えを持って生きていたはずなのに
疑いを持っていたせいで、僕は生きていたのだ。

「ガレッサだかアガッサだかわかんねーよばーろー」

ちゃぷ、と母の眠る湖は揺れた。
小石によって月の船は崩れ、水面は鏡とならずに只揺れていた。

「少年」と、イカれた団長様がまた話しかけてきた。
今こそ戦いの時だ、とヘボい戦争マニア風情がまた宣ってやがる。
お前も親父も隣りのクソガキも、何故疑わなかったんだよ。
魔王が悪とかどうとかより、この習慣の異常性を疑えよ。
何であんな奴等に家を荒らされなきゃならねぇんだよ。俺様のベッドでぐっすり寝てんじゃねぇよ。
何が逆賊だよ、こんな下らねぇ国ならもういらねぇよ。

ぽつん、とまた水面は揺れた。

小さく、さっきよりも小さく、揺れた。

18 猪(禁煙中) :2006/12/14(木) 02:13:03.74 ID:zD3Z/3WxO
シライ様はまだ宣っている、まるで宣う事で心の揺れを抑えるみたいに
今にも泣きそうな瞳で、月と湖が照らすこの場所で。
こいつが女だったらキスしてたな、とか思いながら、黙って見てた。

「…な訳だよ。わかったね、ワトソン君?私は死ぬよ」
「あぁ、どうぞ」
「うむ。」

寂しさにやられた団長様は、腰に付けた先祖代々の大剣で自分の腹を刺した。

「…ワトソン君…死体は湖に捨てたまえ…君の母様は僕の良き愛好者だった…だから…」
何故、こんなところで死にたがるんだろう。馬鹿な野郎だ。
しかも俺の母ちゃんがお前の義勇団のリストバンドを買ったぐらいで死霊になっても守る気だ。
このババコンめ、あのキチガイマザーと一緒に眠ってたいんか。

「…ワト…ン……たの……」
俺は腹に刺さった剣を抜いて、突き出している頭を切り落としてやった。
首元からは鮮血が噴き出し、あいつの首は驚いたような顔付きでこちらを見ていた。

俺は胴体を湖に流し入れ、顔をポーンと中央に投げてやった。

今気付く

俺は異常だ。

湖畔には大剣と異常者一人。
幼いはずなのに容易に首を切り落とせる、異常者一人。

19 猪(禁煙中) :2006/12/14(木) 02:21:34.81 ID:zD3Z/3WxO
ガレッサの街は嫌味な静けさの中にあった。
時折うめき声が聞こえるのはまた死にそこなったんだろう。
作者はガレッサ崩壊をもっと派手に、ぶつかりあうように書きたかったが、幾分、文才が無いにて候
ほとんどガレッサ市民精神崩壊になってしまった
そして死ねない人を殺す主人公、月、静寂。

少年はその時、優しさに近いものを知った、と言う。
それが真か虚かは知らぬが、
暗く霞んだ瞳で、俺はやってやった、と言う。

月が天頂に昇る頃には、うめき声は止み。嫌味な静けさが街を包んでいた。

20 猪(禁煙中) :2006/12/14(木) 02:31:33.66 ID:zD3Z/3WxO
「本当なら、俺も死ぬべきなんだよな」と言う

街で一番高いところ、自分の家だった場所の風見鶏の隣に座る。
カタカタカタカタと鶏はまわる。
月が霊を昇らせるかのように街を照らす。
霊が一人残らず昇るように、ガレッサ全域に広く、強く照らし出す。

カタカタカタカタと風見鶏はまわる。
まるでこの街の人達の生き方を表すように
狭い範囲で、狭い見解で、せかせかと忙しそうに、生きる。
まるで、それが人間のように、カタカタ、カタカタと。

そういえば風が吹いていない。

風見鶏は何故まわっているのだろう?

そう思った時には既に風見鶏だったものが違うものになっていた。

21 猪(禁煙中) :2006/12/14(木) 02:41:12.50 ID:zD3Z/3WxO
「やい、人殺し」
手一本だけで立っている物体はそう言った。

「なんだよ、化け物」
負けじとその一つ目を睨んで言った。

「殺さなくぅても良かぁったんじゃねぇのかぁ?」
嫌味の基本を心得ているのか、のたのたした喋りで化け物はそう言った。

「…こういう機会しかないだろう?」
なるべく狂気を表に出させたつもりだったが、一つ目は悲しそうに俺を見つめた。

「おめぇ、人が死ぬの、嫌いだろ」
図星、のちょい横だったが、あながち間違いでもない

「自殺が嫌いなだけだ」
「ほぉおう」
一つ目はいやらしくにやりとしている

こいつ、顔で考えてる事ほぼ分かるな

22 猪(禁煙中) :2006/12/14(木) 02:50:33.29 ID:zD3Z/3WxO
「おめぇ…名は?」
「んー…ワトソン、かな」
「ほぉーぅ、あだ名だな」
「じゃあお前のあだ名を教えろよ」
「んー?ババコンガでえぇがぁ?」
「あぁ、だけどその口調をやめてくれ」
「んー?気付いてたのか?」
一つ目が目を伏せる
「バレバレだ、ばーろ」
「そうか」

月と少年と魔物
不思議に夜景に溶け合って
嫌味な静けさも戸惑っていた
はやくこいよ、という月も
はやくこいよ、という街も
魔物と少年に戸惑っていた

23 猪(禁酒中) :2006/12/14(木) 03:06:56.53 ID:zD3Z/3WxO
街の入口より遠くに、ぽつぽつと火が見える。
横に7つ、縦にぞろぞろと並んで、この街にやってくる。
「くせぇなぁ」
ババコンガが嫌味を込めて言う
「あぁくさい」
俺は月を見つめて言う
「あれは…なんだ?」
目を細めて数を数える一つ目
「あれは粛正だ」
徒労の軍団を遠い目で見つめる。
「粛正?…ははーん」
またいやらしくにやりと歪むババコンガ
「くっだらねぇだろ」
「あぁ、くっだらねぇ」
「こんな下らねぇ街の為に下らねぇ国王様が下らねぇ軍隊を率いて下らねぇ粛正をなさるんだ」

「「ほんっとにくっだらねぇなぁ」」

危機が近くに迫っているというのに僕らは大笑いした
ついさっき出会ったばかりの化け物と、僕は大笑いをした。

「いーひっひっ…でもよぅワトソン」
「なんだ?ババコンガ」
「こんな下らねぇもん、俺なら消してしまえるぜ?」

24 猪(禁酒中) :2006/12/14(木) 03:24:41.90 ID:zD3Z/3WxO
まったく、大層なことを言う。
思わず俺も、いーひっひっと笑ってしまった。

「お前にそんなことが出来るなら俺にだって建国出来るだろうよ」

またババコンガは目を歪ませる。
「ふふぅ…魔力も計れないアマちゃんはこれだから駄目だぜ」
「生まれてこの方魔力とは無縁でな」
「ほほぉう…だぁからか」
何だろう…一見雑魚に侮られると、ここまでイラッとするのか

「まぁいい…消してしまいたいもんがあったら今のうちに言っとけよ?」
じっとこちらを見つめる一つ眼の中に、何か異質なものを感じた。

「…じゃあ、あいつらと、この街のこの家以外で」
ババコンガの一つ眼の異質を探ろうと凝視する

「OK、じゃあ目ぇつぶってろよ」

25 猪(禁酒中) :2006/12/14(木) 03:36:52.96 ID:zD3Z/3WxO
俺が目を閉じた瞬間、ごうっと風が吹いた。

豪風がやかましく吹いて、ぶおぉっぼおっ、という音以外に何も聞こえない。
僅かに、鉄が重なる音、木々が折れる音、水が飛び散る音
そして風見鶏のカラカラという音が聞こえてきた

「もういいぞ」

東の空から太陽が昇らなかったら、暗闇がまた広がったと思っていただろう。
先程の暴風のせいで街は吹き飛び、見事に俺の家だけが海の真ん中に立っていた。

「…なんじゃこりゃ」
「どうだ、すげえだろ」
さっきより一回り小さくなったババコンガが肩の上で言う。

「まぁ…すげぇが、帰り道は?」
「ちゃんとあるある」

後ろを見ると、そこだけよけたように一本の道が出来上がっていた。

26 猪(禁酒中) :2006/12/14(木) 03:56:56.15 ID:zD3Z/3WxO
「あるのはいいが…」
その一本道はあまりにもボロボロで、ボロボロにボロボロを重ねた、まさにボロボロだった。
「ボロボロ言い過ぎだろ…」ちょっとしょんぼりとした声でババコンガは言う

ゆっくりと一階まで降りて玄関のドアを開け、帰りの道を見つめる
屈伸をしてから、入口の両端を掴み
ダッシュで一本道を行く

走っている途中から道が崩れ始め、後ろからガガガ、前はゴゴゴ…
これは最後にひとふんばりしないとな…と思い、ゴールまであと身長分のところでジャンプをする
予想通り、前から崩れ、寸前のところでゴール。
ババコンガは「おっほぉ」と喜んでるのか楽しんでるのか分からん声を出しとった

「いやぁ間一髪でしたね」
まるで他人言のように言うこの一つ目め
いつか爪楊枝か大剣を刺してやる

27 猪(禁風呂中) :2006/12/14(木) 04:08:06.41 ID:zD3Z/3WxO
「どうすんだ?これから」
お前は間違いなく答えを知ってるだろう。だから答えない。

「あの家は…いいのか?」
「下らんから、もういい。それに…」
予想通り、脆い一本柱となった俺の家だった場所は
ごろっという音を出して海の中に消えていった。

「とりあえず、旅だ」
ババコンガはその言葉を聞いてまた目を歪ませた。
肩に乗っててよく見えないけど、きっと笑っているんだろう。
何故なら俺もくっだらねぇ日常が終わったことを喜んで
笑っているからだ

28 猪(禁風呂中) :2006/12/14(木) 04:13:20.24 ID:zD3Z/3WxO
その後、ガレッサがあった場所はまったく違う名称で親しまれている。

確か、「巨竜の食べ残し」という名で



じゃあ少年と魔物の下らない話を終えるよ
まだ、続きはあるんだがね
時間が無いし
何より俺は話ベタだ。

君に伝わらないことも多いかもしれない。

でも、
まだ君が、
少年と魔物の話の続きを知りたいなら…

まぁ、また話を聞いてくれればいいよ。

またどこかで会うだろうし


それでは

32 猪(乱視) :2006/12/14(木) 12:25:11.61 ID:zD3Z/3WxO
なんだい
まだ居たのかい

そんなに続きが聞きたい?

でも私が知っているのはほんの一部しかないんだ。
だから上手く伝わらないかもしれない

それで、いいのなら少しずつ話すとしよう


と言っても、

また下らないとか、しょうもないとか
そんな感情から物語は始まる。

そんな大そうな話では無いんだけどね

33 猪(乱視) :2006/12/14(木) 12:49:35.53 ID:zD3Z/3WxO
とりあえず道なりに進んでいったのだが、あの行軍はどれくらいの速度でやってきたのだろう。
あまりにも退屈で進歩の無い景色に僕は休憩して青空を仰いでいた。

手荷物は故某様の先祖様代々様の大剣、あとはポケットにあった数枚の金と
数年前に亡くなった姉からもらった手作りの首飾り
あの人は僕が五歳の頃に他の地方に嫁ぎ、八歳の頃に戦争に巻き込まれ、死んだ。
幼い頃にふざけて作った首飾りは、その日から形見となり今は亡き母や父から大事にするように言われていた。
そんなことを言われる前から気に入っていたので、あまり外すことは無かったのだがまぁ、何にでも所以を持たせたがるのだろう
おかげで常に「亡くなった姉がくれた首飾り」という素晴らしい説明が付いて、お涙頂戴、となるのだ。

だからお気に入りなだけだって

青空に白い雲が浮かぶ

あいつはどこか、って?
俺の横で丸まりながらくーくー寝息立ててるよ

いやいや

35 猪(ミニスカ) :2006/12/14(木) 13:01:01.71 ID:zD3Z/3WxO
ヒババンゴは体長も元に戻り、呑気にトカゲみたいな化け物を追っかけまわしている。
「待て!待て!」と言われても足一本出た一つ目の球体にぴょんぴょん追っかけられたら不気味すぎて人間でも逃げるわ。
ギョラギョラ言いながらトカゲは逃げる、ハァハァ言いながら化け物は追っかける。
以前旅芸人が街に来た時に見せてくれた、猫と鼠が追っかけ合う話を思い出して少しにやける

母親に追っかけられてら

「ババ、行こう」
「へぇっへぇっ、そうするしかねぇっ」

あいつに自業自得という言葉を教えてやりたいもんだ。


36 猪(ミニスカ) :2006/12/14(木) 13:10:42.96 ID:zD3Z/3WxO
ババコンガは俺の肩の上に乗り、俺の身長より低い母トカゲをおちょくる。
あまり生き物嫌いでない俺は、しゃがんで母トカゲの頭を撫でてやる。
「よしよし、すまんかったな」
ぐぅるると言って母トカゲはぷいっと自分の巣へ戻っていった。

「ワトソン、あいつは焼いて食ったらうめぇぞ?」
「馬鹿、俺は殺すことは大嫌いなんだよ」
「ほぉおう」
また嫌味な声を出す
「死にたい奴は別だがな」
「ひひっ、なら納得だわ」
ギヒギヒという声が左肩から聞こえる。
まったく、不気味な仲間だ。

そうこうしてるうちに、目の前に小さな家が見つかった。

37 猪(ミニスカ) :2006/12/14(木) 13:22:41.70 ID:zD3Z/3WxO
こんな広い草原に、ぽつんと寂れた家が建っていた。
「なんだここ」
俺よりも先にババコンガは言う。
「知らねぇよ」
「なら仕方ねぇ」
無視して進むのかと思ったら、肩から降りてぴょんぴょん入って行きやがった。
「おいおい…」

家の中からガサゴソガッシャンガラガラという音が鳴り響く。
こんなに騒がしく出来るのは人が居ないからなんだろう
俺も少しだけ気になったので、仄暗い家の中に足を踏み入れた。

「あぁ、そこに死体があるからな」
先に言わないからつまずいちまった。
人が居ないんじゃなくて、人が生きてないんじゃねぇか。

「めんどくせぇなぁ」
「金目のもんならなかったぜ」
俺らは泥棒か、いや、泥棒だな。うん。


38 猪(ミニスカ) :2006/12/14(木) 13:35:03.22 ID:zD3Z/3WxO
死体と言っても骨だけで、殆どは蛆か虫かに喰われたんだろう。
幸い手に持った「少女はいつも夢を見る」という小説は新品同様だった。

「坊や、それには触らないほうがいいわよ」
とババコンガは薄気味悪い声を出す。
「何かあるのか?」と聞くと
「呪本だ」と言う。

なるほど、犬も食わねぇって訳じゃねぇが
傷付けることが出来ない訳だ。

「そういう本にはな、霊が潜んでるんだ」
「あぁ、そして呪いたい人にこれを届ける、と」

俺は首飾りを手に持ち、鋭くなっている部分を下に向け呪本に刺した。

何かを吸い込む音がする
これは魂を吸い込む音らしい。

「ほぉ、解呪の飾りか」
「あぁ、ガレッサ特製のな」

39 猪(ミニスカ) :2006/12/14(木) 13:53:01.91 ID:zD3Z/3WxO
ガレッサはやはり有り触れた街であったが、一つだけ特化したものが有った。
それはガレッサ地下から採掘される「吸恨石」という岩石を加工することで作られる、解呪の揃えだった。
しかし、近年は吸恨石も採掘し尽くし、解呪の揃えもほぼ作成しなくなっていた。
姉には黙っていたが、首飾りを作る前に採掘場に潜り、鋭利な吸恨石を少しだけ頂いておいた
まぁこれだけじゃ大した加工も出来ないだろうけど、首飾りの主役にもらっておいてもいいだろ。と

「だったらあいつらの魂も吸えば良かったじゃねぇか」
「そんなに入らねぇよ、底があるんだ。」

魂を吸われた本は、あっという間に灰になった。

「それに、吸ったとしてもなんにもならねぇ、やっぱりこれは解呪用だ」

骸骨は静かに寝転んでいた。

40 猪(浴衣姿) :2006/12/14(木) 14:05:07.10 ID:zD3Z/3WxO
「何かあったか?」
「なぁんにも」

俺達は家を出ることにした。
太陽は少し傾いていたが、まだ夕暮れではないようだ。

「でもそれには底があるんだろぅ?」
肩の上のババコンガは聞いた

「あぁ…だから」
首飾りを太陽に向ける…紫色の煙が吸恨石から漏れ出る。
「紫の煙は負の念だ、もっと強くなると真っ黒な煙を出す」
「ふぅん…」
紫の煙は空に舞い上がって、薄くなって、消えていった。
「こんなもんだよ、念なんてもんは」

空には雲が一つ、ぽかんと浮かんでいた。

「街は、どこにあるんだろうな…」
「さあぁ、わっかんねェなァ」

まったく頼りない仲間だ

41 猪(浴衣姿) :2006/12/14(木) 14:15:38.00 ID:zD3Z/3WxO
しばらく歩くと、巨大な群れが目の前を横切る。

「なんだ、ありゃ」
「ん?ありゃあなぁ、何かから逃げてんだよお」
「何か?」
「おぉ、あんな巨大な奴等が逃げてんだ、もっとでっけぇ奴が追っかけてんだな」

もっとでっかい…
草原にオーガでもやってきたのだろうか…

「お、あれだ」
「ん?」

そういえば群れの最後尾で何かがか暴れ回っている

42 猪(浴衣姿) :2006/12/14(木) 14:24:48.98 ID:zD3Z/3WxO
「ありゃあ、グランドイーターじゃねぇか」
あの巨大なミミズみたいなのが…
「なんで暴れてんの?」
列の最後尾が近付いて来る、悲鳴も段々と大きくなる。
「わかんねぇ、普段は大人しいのに」
突如、轟音が鳴り響く
「…くるなぁ」
俺は、剣を構えてみる。

44 猪(浴衣姿) :2006/12/14(木) 14:35:36.99 ID:zD3Z/3WxO
巨大な芋虫は俺達の目の前で狂ったように暴れ回っている。

ぶおん、と芋虫は極太の首を振り回し、あと少しのところで吹き飛ばされるところだった。
しかし、二度目のぶおん、に少し衝突し、強いダメージを受けた気がする。
当たらないように後に引くが、それは間違いだと気付く、
外へ行けば行くほど衝撃は強くなるのだ。
「ババ!引っ付いてるか!」
「だぁいじょぉうぶ」
「あいつの体に引っ付くぞ!」
「何ぃっ!」

拒否の声も聞かぬまま
俺は、芋虫のぶおん、に乗った

45 猪(浴衣姿) :2006/12/14(木) 14:48:06.85 ID:zD3Z/3WxO
強い。
今にも振り落とされるだろう。

だが、一瞬だけ、何かを確認するように停止する。
その時に上に、上に上る。
「なんで…!!…」
「るせぇっ!…」
ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!
また轟音をあげ、暴れ回る。
まるで何かを振り払うかのように

「失恋!でも!したのかね!」
「知らねぇ!よ!」

また、停止。
よく聞くと、停止の時にも唸ってはいる。
まるで、何かの痛みに耐えるかのように
ぐぅぅぅ ぐぅぅぅ
う゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ
また轟音をあげて、必死にのた打ち回る。

そして再び停止した時。
奴のおでこに見たことのある物体があった。

「少女はいつも夢を見る…?」


46 猪(浴衣姿) :2006/12/14(木) 14:58:21.11 ID:zD3Z/3WxO
「呪本か!」

暴れ回るグランドイーターに必死に掴まりながら、次の停止を待った。

止まった。

「うぉおお!」
ドンドンドンと力強く踏み出しグランドイーターの額に到着し、額の皺を掴んだ。

ぐぅぅぅ ぐぅぅぅ ぐるる?
「今、やってやるからな」

首飾りを掴み、それをまた呪本へと突き刺す。
じゅぅうっと蒸発するような音をあげて魂は吸恨石の中に吸い込まれていく。

ぐぅぅぅ ぐぅぅぅ? ぅぅぅ?

グランドイーターは空を見上げるように停止し、そこから真っ黒な煙が上がっていった。

47 猪(入浴中) :2006/12/14(木) 15:10:33.57 ID:zD3Z/3WxO
ごごごご…
ゆっくりとグランドイーターの首は地面に向かっていく

俺はすっと飛び降りてグランドイーターから、一歩ずつ引いていく

「何か、呆気ないな…」
「あぁ、でもいいだろ…」
「そうだな」

巨大な芋虫は何もなかったように地面に潜っていく…

「でもお礼の一つくらい欲しいな」
「あぁ…」

「御礼なら私からしてあげますよ」

振り向くとそこにはさっきの骸骨がいた。

48 猪(入浴中) :2006/12/14(木) 15:20:55.33 ID:zD3Z/3WxO
「うわ、骸骨マンや」
「サブキャラの骸骨マンや」

「何ですか、骸骨マンとは。まったく」
骸骨マンはさっき持っていたよりボロボロの小説を片手に持っていた。
やはりタイトルは「少女はいつも夢を見る」
こいつは悪趣味なロマンチストだ

「まったく、我々の研究の妨げになることをよくも…」
何の研究だよ、知らねぇよ
「この研究にはあの方だって…」
だから誰だよ
「あぁ、何が素晴らしき研究か」
お前が寝てるからだろ
「この代償は高い…」
責任転嫁かいな

「残念ながら、死んで頂きますよ」

またボス戦ですか

49 猪(入浴中) :2006/12/14(木) 15:33:28.64 ID:zD3Z/3WxO
「ガイコツ君はどういう攻撃しかけてくるんかなー」
余裕ぶっているが、感じる。
こいつ、なんかヤバい。
「さっきからあなたがたはガイコツガイコツと…」
ガイコツは両手で顔を覆い、ガクガクという音を出す。

「我が名はロクアール…」
ガキャッ、という音と共にガイコツの骨は蜘蛛のように広がった。

「魔王六軍、将軍の一人!アフェイドル・ロクアール卿であるぞ!」

地面から何本もの鋭利な骨が飛び出してきた。

「やべぇな…」
「あぁ…」
「魔王軍、ですか…」

「そうですとも!泣いて許しを乞うても抹殺です!」

「…ワトソン…」
「なんだ」

「目をつぶれ」


50 猪(入浴中) :2006/12/14(木) 15:44:14.20 ID:zD3Z/3WxO
「…またか?」
「あぁ…今回はお前にはまだ…」

「何を宣っているのです!油断すれば死!ですよ!」

突き出る骨が波のようにこちらにやってくる。

「わかった…」

目を閉じる…また風が起こる…
金切り声が聞こえる…「お…おまえは…」…骨がゴキゴキと折れる…
風…何かが突き刺さる音…「ババコンガ…大丈夫か?」…「大丈夫だ」…
低く唸るような声だった…喋るだけで地響きを起こすような…強く…低く…

突如、豪風が吹き、また木々が折れ、草木が千切れ、風が鳴き
また風見鶏がカラカラカラカラと回る

「お前…お前は!…」

「散れ」

風が切れたようなとても高い音が鳴り響いた。



51 猪(入浴中) :2006/12/14(木) 15:56:41.04 ID:zD3Z/3WxO
目を開くと、
先程まで青空だったはずなのに
雲が一帯を囲み、光が入る好きも無く
天頂には突き抜けるような蒼天が
「なんだ…目ぇ開けちまったんか」
上を見上げると

ぼすっ

顔の上にババコンガが乗っかかってきた。

「…ありがとな」
「いや、いいさ」

しばらくすると、雲は霞んでいって
また青空と太陽が一帯を照らした

「まぁ、行こうか」

またババコンガは小さくなっていた

またしばらくしたら大きくなるだろう。

52 猪(今日もカップラ) :2006/12/14(木) 16:06:45.24 ID:zD3Z/3WxO
「魔王軍、か…」
「なんとも…な…」

呑気な旅をする予定だったのにやはり正義と悪に妨害をされた
俺に取っちゃ自由が一番なのに、頭のおかしい奴等が邪魔をしてくるのだ。
しかもその頭のおかしい奴等の方が強いということ
大きいということ
それが全てを狂わせてるのだ。

「あれ、グランドイーターじゃね?」

でもキチガイ共がいっぱいいるからこそ常識が生まれてしまう。
その常識から逃れて、自由に浸った時
その時に、真実を知れる。

巨大な芋虫は首を差し出した
「乗せてくれるみたいだな」
「でも、どこに行くんだろ」
「どこでもいいだろ」

「あぁ」

最早真実もどうでもいいのだが

53 猪(今日もカップラ) :2006/12/14(木) 16:09:58.20 ID:zD3Z/3WxO


やっぱり表現が下手だね
すまないね

わからないところがあっても上手く説明出来る気がしないよ

でも、一応、この話は終了だ
続きはいつものとおり

また会えた時に


それでは
また

54 おせち(3,000円) :2006/12/14(木) 17:24:38.67 ID:dvOICvxz0
面白いと思ったけど元ネタがわからん


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  • 名無しですが何か 投稿日:2006/12/15(金) 14:29:39
  • ババコンガってモンスターハンター2のアレでしょ?
    最初のテンションと次からのテンションの違いに吹いた。
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